STORY
「孫の代のために木を植える」と言われる林業そして、そこから始まる木に関わるシゴト
これからはその在り方が、孫の代のさらに先の世界にもつながっていく
01循環の島 屋久島
屋久島は山から海が凝縮して存在し、地球の循環そのものが一つの島にある。
そして、そこには世界自然遺産に登録されるほどの自然が存在する。
その自然の循環を、目の当たりにしたとき、感じたとき、人が自然の一部であるということが自分の中に溶け込んでくる島である。
02世界自然遺産の島 屋久島
屋久島は南の島でありつつ、九州で一番高い山が存在する。それは海沿いでは沖縄に近い気温、山の上では北海道に近い気温となり、
一つの島に日本がそのままあると言える。また、高い山が中心にあることで、その周りの里の気温や風、天気は場所によって違う姿を見せる。
それらが繋がりあい、豊富な雨をもたらし、多様で深い自然を形成し、1000年以上生きる杉を育てる。
その自然と、自然と人との関わりを紡いできた島が、屋久島である。
03屋久島の森林と人
屋久島は森林が9割。そのなかには原生林と呼ばれる人々の心を引き付ける森林と、人々が木を植え、切ることでそのイノチをいただきながら、共に歩んできた植林された森林がある。
しかし、屋久島そして日本で、外国産材の輸入により、その植林された森林が手つかずになってきている。
森林とどう歩んでいくか。未来に繋がるカタチの模索が始まっている。
04森林のシゴト
林業は産業として木を伐り、利用すること。
そして、林業は「孫の世代のために木を植える」といわれる、孫まで繋がる循環を作る産業である。
しかし、今人々が林業から離れ、木と共に歩む人が減っていく。
それは循環を創る産業の衰退を意味する。
05イノチを紡ぐ
森林のシゴトを繋ぎ、イノチの巡りを感じる体験を。
屋久島の循環の中で、木と人は繋がりあいながら循環している。
伐採→製材→木工→利用→植林
それらは「イノチをもらい、共にあるカタチに姿を変え、共に生き、新たなイノチへと紡がれていく」ことを意味する。
その繋がりを体験し、循環を自分の中へ。木と繋がり、森林や人が豊かになっていく。
06地杉と共に生きる
「屋久杉はない。次は地杉だ」
屋久島は屋久杉とともに歩んできた。しかし、屋久杉の山からの搬出は終わり、材としても枯渇していく。
しかし、屋久島には今まで目を向けられることが少なかった「地杉」という木が存在する。
それは人々の手によって植えられ、育ってきた里にある杉。
その材は本土の杉と違い、屋久島ならではの個性を持っている。1000年以上生きる杉と共にある地杉。
屋久島の新たな可能性としての、地杉と共に歩むデザインが始まっている。
07木育
木を通して学ぶ。木と共に育つ。
子ども・大人・組織・企業まで、木に触れ合いながらこれからの社会に必要な学びを。木と共に過ごす時間を持つことで、これからの循環する未来のカタチが、そのための土台が創られていく。
楽しみながら、味わいながら、森林や木との関係性を再構築していく。
08森林の循環
屋久島の植林は、屋久杉から種を取り、それを育てて森に還していく。
屋久杉は屋久島に古来からある種。
それを植林し、育て、利用していくことは原生の森と歩んでいくこと。そして、杉だけでなく、どんぐりなどの広葉樹の森の再生へのアプローチの模索も始まっている。
イノチをいただくことから始まる木の循環が、植林という次の世代を植えることと繋がることで、はじめて一つとなる。
09木々との関わり
屋久島には杉以外にもさまざまな木がある。屋久杉に隠れて注目されなかった屋久島の個性的な木々たち。1000年以上も杉が生きる森で育った屋久島の広葉樹。屋久島の森が織りなす、それぞれの木の個性、すばらしさも触れ合える島に。
10これからの屋久島の森林と人の在り方
7000年生きているとも言われる縄文杉。
これからは7001年以上続いていくための、森林と人との関係の模索がはじまる。
山の森林に触れ合い、里の森林とともにどう歩んでいくか。
それは、森林と人が織りなす持続可能な循環の模索。